ココロ社(本社) このページをアンテナに追加

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2005-09-03

目印になるタバコ屋の角を曲がると、表札に「木村」とある家がありました。まさにこれが木村氏の家です。しかし、タバコ屋のことも気になってきました。なぜなら、近年の禁煙ブームのあおりを受けているであろうタバコ屋の「次の一手」がどんなものであるか知りたいと思ったからです。

「こんにちは…タバコに全然興味がないのですが…何かもらえます?タバコに替わるような何か」

「あー最近そういう人が増えてきていてねぇ。スタイリッシュで、ちょっと体に悪くて、臭いものってことだよね…最近はくさやスティックがよく売れてるけど…」

スティックを手に取りながら、なるほどと思いました。くさやのタンパク質が腐った匂いは、タバコをはるかに超える臭さであり、歩きながら吸っていると、タバコよりも迷惑をかけそうです。形状も、だらしなく紙に巻かれているタバコとは対照的に、念入りに干し固められ、非常にスマートです。これなら、タバコの代替品としては十分、むしろタバコよりも優れている点が多いと思いましたが…

「ただ、くさやは健康食品であると言われていますよね。健康を害することが重要な魅力の一つとなっているタバコと比べると、この点では見劣りしてしまいますよね。」

とぼくが反論してみると、タバコ屋の男は、奥から震える手で一冊のパンフレットを取り出してきました。その縦長のパンフレットには「むしろ毒薬こそ口に苦し」と大きな字が書いてありました。

「最近、『臭いものや不味いものがむしろ健康にいい』というムードが広まっているが、おかしいと思うんだよ。『良薬は口に苦し』みたいなことを涼しい顔で言う人も多いけれど、口当たりの悪いものがすべて良薬であるとは限らない。たとえば、塩酸は飲むと口当たりが悪いじゃないか。たぶん舌も喉もビリビリすると思うんだけど…本当は、口当たりのよくないものは危険だと思うべきなんだよ。」

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